FPコラム

日本FP協会が認定するファイナンシャル・プランナーの上級資格をもったCFP®認定者が、くらしとお金に関する社会保障制度や税制の解説から、生活の中で見つけたちょっとしたアイデアまで、みなさまのファイナンシャル・プランニングを考える際のきっかけ作りとなるような情報をファイナンシャル・プランナーの幅広い視野で取り上げ、月1~2回お送りしています。

最新号
2019年11月号(2)
資産運用
CFP®認定者 太矢 香苗

新社会人から始める資産形成

 来年4月から社会人生活を始める学生も、様々な情報が溢れる中、少なからず将来必要になるお金に関して不安を抱いているようです。そこで今回は、社会人になってから戸惑わずに貯蓄をスタートさせる準備について説明していきたいと思います。

卒業を機に家計独立

 社会人になったら親との同居の有無を問わず、自分の家計(収入と支出、貯蓄)は自分で管理するようにしてください。学生時代は親任せのおこづかい制だったとしても、卒業を機に自分名義の通帳、キャッシュカード、印鑑は自分の手元で管理するようにしましょう。

書類の保管と管理

 就職後に勤務先から交付される書類も、必ず自分で保管するようにします。決めたクリアファイルに受領する都度入れていくのがよいでしょう。

書類名 頻度 交付時期など
給与明細 毎月 給与支給日に勤務先から交付(電子交付の場合はダウンロードする)
源泉徴収票 毎年 12月~翌年1月に勤務先から交付(電子交付の場合はダウンロードする)
住民税の納付通知 毎年 5月~6月に勤務先から交付

 これらの書類は、給与の手取り額(給与や賞与の支給総額から税金と社会保険料を除いた額)を知る上でいちばんよくわかる書類です。また、将来、住宅購入などローンを組む場合には、借り入れ審査に必ず提出する書類となります。

貯まる習慣は『収入-貯蓄=支出』

 お金を上手に貯めている人が例外なく実践している習慣があります。給与が入ってきたら、まずは一定額を貯蓄に回し、残ったお金の範囲内で支出を賄うという方法です。
 それが『収入-貯蓄=支出』。ぜひこの習慣を身に付けてください。

あらかじめ貯蓄を取り分ける方法

 お金とは、「手にしている時間が長いほど、蒸発しやすい=使ってしまいたくなる」ものなのですから、「使う前もしくは使いたくなる前に自動的に貯蓄に回してしまう」。この方法がいちばん確実です。
 ・給与から天引き(必要額の差し引き)にする。
 ・給与支給日と同日に引き落としの積み立てをする。
 この2つが、新社会人におすすめの方法です。

勤務先の制度利用が第1選択肢

 給与からの天引きは、勤務先の福利厚生の制度でしかできません。勤務先に制度があるようでしたら、それが第1選択肢です。代表的なものに以下の2つの制度があります。
・財形貯蓄
 一般・住宅・年金の使い道に合わせた3種類があり、給与から天引きで積み立てることができる。
・確定拠出年金<企業型> 
 老後資金のための積み立て。企業が掛金を拠出し、従業員が運用する。
勤務先の制度を利用しつつ、税制上優遇のあるもので積み立てていくのが効率的です。
ただし、確定拠出年金<企業型>は原則60歳(もしくは退職)まで引き出すことができませんので
最初から老後のためのお金と思って続けていきましょう。

勤務先に制度がないとき

 勤務先の福利厚生で給与天引きによる貯蓄ができない場合は、個人と金融機関との契約になりますが、下記の方法で積み立てを始めてみることを検討してみましょう。
・積立預金
 給与支給日に引き落とされる。
・つみたてNISA
 1年間に40万円まで、投資信託で運用中は非課税で積み立てることができる。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
 老後資金のための積み立て。掛金が所得控除される。

少額でもスタートしてみる

 社会人1年目から将来を見据えた貯蓄を始めるのは、勇気のいることだと思います。しかし、そこで「給与天引き」か「給与支給日引き落とし」の最低金額もしくは千円単位の額で構わないので、とにかく「収入からあらかじめ一定額を貯蓄に回す」を実践してみてほしいと思います。
 新社会人の資産形成に何よりも必要なのは、貯蓄習慣なのです。

  • ※バックナンバーは、原則執筆当時の法令・税制等に基づいて書かれたものをそのまま掲載していますが、一部最新データ等に加筆修正しているものもあります。
  • ※コラムニストは、その当時のFP広報センタースタッフです。本コラムは執筆者個人の見解を掲載したものであり、当協会としての意見・方針等を示すものではありません。

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